こんにちは、Bordanの自動車整備士、小林です。今回はフォグランプの色に関する車検の基準について詳しく解説します。フォグランプは悪天候時や視界が悪い状況での視認性を向上させる重要な装備です。そのため、適切な色と性能が求められます。特に、日本の保安基準においてはフォグランプの色に関する厳しい規定が存在します。この記事では、黄色と緑のフォグランプが車検に通るかどうか、その理由とともに詳しく説明します。
日本の保安基準におけるフォグランプの規定
フォグランプの色に関する法規制
日本の保安基準では、フォグランプの色は「白色または淡黄色」と厳密に定められています。これは、道路運送車両の保安基準第33条(前部霧灯)および第37条の2(後部霧灯)に基づいています。
以下は、この基準に基づく色温度の範囲を示した表です。
フォグランプの色 | 色の名称 | 色温度の範囲 | JIS規定 |
---|---|---|---|
白色 | 昼光色 | 5000K~6500K | JIS Z 5001 |
淡黄色 | 黄色 | 3500K~5000K | JIS Z 5001 |
基準に違反した場合の影響
フォグランプの色がこれらの基準に適合していない場合、以下のような理由で車検に不合格となります:
- 視認性の妨げ: 他の車両の運転者の視認を妨げる可能性があります。特に、青色や赤色は信号灯の色と間違えやすく、非常に危険です。
- 法的違反: 道路運送車両法第62条では、「保安基準に適合しない車両等は運転をしてはならない」と定められています。保安基準に適合しないフォグランプを装着して公道を走行することは、法律違反となります。
このように、フォグランプの色に関する法規制は非常に重要であり、車検に通るためにはこれらの基準を遵守することが必須です。次のセクションでは、具体的な色のフォグランプについて、どのように車検に適合するかを詳しく見ていきます。
黄色のフォグランプと車検
黄色のフォグランプが車検に通る理由
日本の保安基準では、フォグランプの色は「白色または淡黄色」と定められています。これは、道路運送車両の保安基準第33条(前部霧灯)および第37条の2(後部霧灯)に基づいています。黄色のフォグランプは、この淡黄色の基準を満たしているため、車検に通るのです。
視認性と安全性の観点からの利点
黄色のフォグランプは、視認性と安全性において、白色のフォグランプよりも優れている点があります。
- 視認性: 雨天や霧などの悪天候時に、白色の光は散乱しやすく、視認性が悪くなります。一方、黄色の光は散乱しにくく、視認性が向上します。対向車に対しても、白色の光より眩しく感じにくいため、相手ドライバーの視界を妨げにくくなります。
- 安全性: 黄色の光は白色よりも長い波長を持ち、雨粒や霧粒を透過しやすく、路面状況を把握しやすくなります。また、道路標識や路面のペイントなどの反射光を強調する効果があり、夜間でも視認性を向上させることができます。
これらの理由から、黄色のフォグランプは悪天候時の視認性と安全性を向上させるために推奨されています。
雨、霧などの悪天候時の有効性
前述の通り、黄色のフォグランプは雨や霧などの悪天候時に視認性と安全性を向上させる効果があります。
- 雨天時: 視界の確保が容易になり、道路標識や路面のペイントの反射光を強調し、視認性を向上させます。
- 霧天時: 障害物の発見が容易になり、対向車や歩行者などの障害物を発見しやすくなります。
緑色のフォグランプと車検
緑色のフォグランプが車検に通らない理由
日本の保安基準では、フォグランプの色は「白色または淡黄色」と定められています。緑色のフォグランプはこの基準を満たしていないため、車検に通らない可能性が高いです。
- 法規制に違反している: 緑色のフォグランプは保安基準に適合していないため、道路運送車両法違反となります。
- 視認性が悪化する: 緑色の光は、白色や淡黄色の光と比べて散乱しやすい性質があります。そのため、雨や霧などの悪天候時に使用すると、視界が悪くなり大変危険です。
- 他の車両の運転手を惑わす: 緑色の光は信号機の緑色と間違えやすい可能性があります。そのため、他の車両の運転手を惑わし、事故につながる可能性があります。
視認性と安全性の問題点
緑色のフォグランプは、視認性と安全性の面において、以下の問題点があります。
- 雨天・霧天時の視認性: 緑色の光は散乱しやすいため、雨や霧などの悪天候時に使用すると視界が悪くなり、非常に危険です。
- 対向車への眩しさ: 緑色の光は、白色や淡黄色の光と比べて眩しく感じやすい性質があります。そのため、対向車のドライバーの視界を妨げ、事故につながる可能性があります。
- 信号灯との混同: 緑色の光は、信号機の緑色と間違えやすい可能性があります。そのため、他の車両の運転手を惑わし、事故につながる可能性があります。
これらの理由から、緑色のフォグランプは車検に通らないだけでなく、使用することが推奨されません。安全運転を確保するためには、保安基準に適合した白色または淡黄色のフォグランプを使用することが重要です。
カラーチェンジLEDフォグランプの使用
2色切替タイプの概要と利点
カラーチェンジLEDフォグランプは、白色と淡黄色の2色に切り替えが可能です。この機能により、ドライバーは走行状況や天候に応じて最適な色を選択できます。以下は、カラーチェンジLEDフォグランプの具体的な利点です。
-
視認性の向上:
- 白色のフォグランプ:通常の夜間走行や視界が比較的良好な状況での使用に適しています。白色の光は道路の視認性を高め、対向車へのまぶしさも抑えられます。
- 淡黄色のフォグランプ:霧や豪雨、降雪などの悪天候時に視認性を確保するのに効果的です。黄色の光は霧や雨の中での乱反射を抑え、視界を確保しやすくします。
- 柔軟性: 2色切替タイプのフォグランプは、ドライバーが状況に応じて最適な色を選択できるため、様々な天候条件に対応できます。これにより、運転の安全性が向上します。
- 車検対応: 白色と淡黄色のフォグランプは、いずれも日本の車検基準に適合しています。したがって、2色切替タイプのフォグランプを使用することで、車検に通ることが可能です。
白色と淡黄色の切替による車検対応
日本の車検基準では、フォグランプの色は白色または淡黄色である必要があります。2色切替タイプのフォグランプは、この基準に適合しているため、車検に通ることができます。通常の夜間走行には白色のフォグランプを、悪天候時には淡黄色のフォグランプを使用することで、視認性と安全性を最大限に引き出すことができます。
ライムイエローのフォグランプと車検
ライムイエローが保安基準に適合するか
ライムイエローのフォグランプが車検に通るかどうかについて、より詳細な情報を提供します。日本の保安基準では、フォグランプの色は白色または淡黄色と定められています。淡黄色は、JIS Z 5001で規定する黄色で、色温度が3500K~5000Kの範囲に属するものと解釈されています。
色温度とは、光の色を表す指標で、ケルビン(K)という単位で表されます。数字が大きくなるほど青白くなります。ライムイエローのフォグランプであっても、色温度が3500K~5000Kの範囲であれば、淡黄色として保安基準に適合し、車検に通る可能性があります。
しかし、製品によっては、色温度表示が正確ではない場合があります。また、車検官の判断基準によっても、適合と判断されない可能性があります。そのため、確実に車検に通したい場合は、白色のフォグランプを選ぶことを強くおすすめします。
車検対応表示の信頼性
一部のライムイエローフォグランプには、車検対応の表示があります。しかし、この表示が必ずしも車検合格を保証するものではありません。車検対応表示は、メーカーや販売店の独自基準に基づいており、保安基準とは必ずしも一致しない場合があります。車検官の判断や、車検場の基準によって、不適合と判断される可能性もあることを念頭に置いておく必要があります。
購入前に確認すべき注意点
ライムイエローのフォグランプを購入する前に、以下の点を必ず確認しましょう。
- 製品の色温度: 製品情報や仕様書などで、色温度が3500K~5000Kの範囲であることを確認してください。
- 車検対応表示: 車検対応の表示がある場合は、その根拠を確認しましょう。
- 販売店の信頼性: 信頼できる販売店で購入することが重要です。
- ユーザーレビュー: 実際に購入して使用した人のレビューなどを参考にしましょう。
事前確認
購入前に、整備工場やディーラーにライムイエローのフォグランプが保安基準に適合するかどうかを確認することが重要です。これにより、車検時に不合格となるリスクを減らせます。フォグランプの取り付け位置や明るさも保安基準に適合している必要があります。これらの条件も確認しておきましょう。
フォグランプ選択のポイント
明るさ
フォグランプの明るさは、視認性に直結する重要な要素です。明るさはルーメン(lm)で表され、一般的に高いルーメン数のフォグランプはより明るく、視界を確保しやすくなります。ただし、過度に明るいフォグランプ(例:12000-15000ルーメン)は、対向車にまぶしさを与える可能性があるため、適切な明るさを選ぶことが重要です。
視認性
視認性を高めるためには、フォグランプの色も重要です。日本の車検基準では、フォグランプの色は白色または淡黄色(イエロー)に限定されています。白色は通常の夜間走行に適しており、淡黄色は霧や豪雨、降雪時に効果的です。
耐久性
フォグランプの耐久性は、長期間にわたって安定した性能を発揮するために重要です。LEDフォグランプは、ハロゲンランプに比べて寿命が長く、耐久性に優れています。また、LEDはエネルギー効率が高く、発熱が少ないため、長時間の使用でも安定した明るさを保つことができます。
光軸調整の重要性と方法
重要性
光軸調整は、フォグランプの光が適切な方向に照射されるようにするための作業です。正しい光軸調整が行われていないと、対向車にまぶしさを与えたり、運転者自身の視界が不十分になったりする可能性があります。特に車検前には、光軸調整が適切に行われていることが求められます。
方法
光軸調整の基本的な手順は以下の通りです:
- 車を平坦な場所に停車: 壁や大きなボードに向けて車を停車させます。壁までの距離は約3メートルが目安です。
- フォグランプの高さを測定: フォグランプの中心までの高さを測定します。例えば、フォグランプの高さが57センチの場合、その高さを基準にします。
- カットラインの確認: フォグランプを点灯し、壁に照射します。カットライン(光が当たっている部分と当たっていない部分の境界線)が壁に映し出されます。このカットラインがフォグランプの高さよりも下になるように調整します。
- 光軸調整用のネジを使用: フォグランプの灯体にある光軸調整用のネジを使用して、カットラインの高さを調整します。ネジの位置はフォグランプのモデルによって異なりますが、上下方向に動かすことで調整が可能です。
車検前に光軸調整を行う理由とその効果
車検前に光軸調整を行う理由は、車検基準に適合するためです。フォグランプの光軸が適切でない場合、車検に通らない可能性があります。適切な光軸調整を行うことで、以下の効果が期待できます:
- 安全性の向上: 適切な光軸調整により、運転者の視界が確保され、対向車や周囲の車両にまぶしさを与えることがなくなります。
- 車検合格の確率向上: 車検基準に適合するためには、フォグランプの光軸が正確であることが必要です。事前に光軸調整を行うことで、車検に通る確率が高まります。
これでフォグランプの色に関する車検の基準についての解説を終わります。安全運転のためにも、保安基準に適合したフォグランプを使用することが大切です。